スマホ版のオートチェス(Dota AutoChess)の攻略メモです。
今回は駒の出現率について。
youtuberのしあわせよっしーさんに触発されて始めたオートチェスにドはまりしてます。この前の土日だけでおそらく20時間以上プレイしてしまいましたね。
さて、しあわせよっしーさんの動画でも触れていた確率論ですが、面白そうなので少し計算してみることにしました。
こちらのサイトも参考にさせていただきました。
オートチェスは、同じ駒を集めて3体集めてレベルアップさせることが基本です。時にはガチャを回して取りに行くことも重要な戦略ですが、何回ガチャをすれば駒を入手できるかという期待値を把握しておくことはとても重要です。
確率が高い場面では、積極的にガチャを回して駒を合体させて勝利を取りにいって良いでしょうし、確率が低い場面では時にあきらめも肝心です。
確率の感覚を把握することにより、その判断ができるようになります。ぜひ感覚をつかんで行ってください。
つべこべ言わず、一覧表とグラフを見せろ!とか、また見ようという場合は4-2に飛んでください。
基本方針
目的
プレイの参考にするためです。
そのため、真に正確な数字を計算するのではなく、わかりやすい計算過程とその結果を目指します。そのため、計算結果に1パーセント弱程度の誤差が出るかもしれませんが、気にしません。
出現率が10.5%が10%になったところで、実際のプレイへの影響は軽微です。
バージョン
アプリ版オートチェスのバージョン0.4の環境で計算します。(更新日:2019/8/8)
計算方針
オートチェスの確率計算は複雑です。
そのため簡単のために一部の計算を簡略化して計算します。
バージョン0.2.1から、どのレベルでも登場する5コストの「不思議な卵」が出現するようになりましたが計算では無視します。
不思議な卵の出現確率などの仕様は、こちらの記事でまとめています。
基本情報
駒について
出現確率を計算するうえで基本となる情報です。
駒の数はこちらを参考にしました。停止中の駒(オーガメイジ、堕落した法師)は省いています。
プールについて
プレイヤーが駒を保持するとプールが消費されます。星1の状態なら1駒分、星2の状態なら3駒分、そして星3なら9駒分消費されます。そのため、複数のプレイヤーが同じ駒を集めていると、どんどんその駒が出現しづらくなっていきます。
イメージとしては、例えば1つの箱に以下のような枚数のお札が入っていたとします。
・1万円札 × 5枚
・5千円札 × 5枚
・千円札 × 5枚
そうすると、誰かが1万円札をすでに4枚引いてしまっていると、その箱から残りの1万円札を引ける確率は下がりますよね。イメージとしてはそんな感じ。
プールサイズと仕様は確率に大きく影響するこの確率計算の肝です。
プールについては、こちらの記事でまとめています。
マスター値
今回は以下のような値で計算していきたいと思います。
駒の種類とコスト毎のプールサイズ
プレイ中は分からないので、覚えておくと確率を感覚的にイメージできるので有利になると思います。『駒の種類 × プールサイズ = 駒の総数』です。
※ 駒の種類はバージョンアップにより変更される可能性があります。そのため、今回の計算する確率も都度変わる可能性がありますので注意。
コスト | 駒の種類 | プールサイズ | 駒の総数 |
1 | 12 | 45 | 540 |
2 | 14 | 30 | 420 |
3 | 15 | 25 | 375 |
4 | 11 | 15 | 165 |
5 | 7 | 10 | 70 |
レベル毎の駒の出現確率
以下の表のデータを使用します。プレイ中にも見れる奴ですね。
レベル | コスト1 | コスト2 | コスト3 | コスト4 | コスト5 |
1 | 100% | 0% | 0% | 0% | 0% |
2 | 70% | 30% | 0% | 0% | 0% |
3 | 60% | 35% | 5% | 0% | 0% |
4 | 50% | 35% | 15% | 0% | 0% |
5 | 40% | 35% | 23% | 2% | 0% |
6 | 33% | 30% | 30% | 7% | 0% |
7 | 30% | 30% | 30% | 10% | 0% |
8 | 24% | 30% | 30% | 15% | 1% |
9 | 22% | 30% | 25% | 20% | 3% |
10 | 19% | 25% | 25% | 25% | 6% |
単純計算
それでは、欲しい駒がどれくらいの確率で出現するのかを単純に計算してみます。
1ターン目に同じ駒が出てくる確率
抽選1回につき駒が5体出現します。1ターン目はレベルが1なので、コスト1が出る確率が100%です。そして駒が12種類なので、
5/12 = 41.7%
42% × 42% = 17.4%
17% × 42% = 7.2%
となります。
約14試合に1回の確率で、1ラウンド目に3体揃うんですね。2つ以上同じ駒が揃っていたらラッキーです。ロックして次の購入に備えましょう。
プールの残数を考慮
実は駒が出る確率はこう単純に計算できません。先ほど説明したプールの概念があるからです。先ほどのように単純計算できるのは1ラウンド目ぐらいですね。
ラウンドが進むと、各プレイヤーが駒を集めていますので、プールサイズがどんどん消費されていきます。
そのため、以下のようになります。
・自分が欲しい駒が既に場に出ている場合、下がります。
・自分が欲しい駒と同じコストの別の駒が場に出ている場合、上がります。
先ほどのお金の入った箱をイメージすると分かりやすいかもしれません。
で、このオートチェスでは常に状況が変わっているので、あらゆる状況の確率を出すのは困難です。常にプレイヤーが駒を売り買いしていますし、自分のレベルも変動しますので。という訳で、ある特定の状況を想定して計算するのが良いと思います。
状況について
それぞれのコスト帯毎に、仮想的に状況設定をして確率を算出します。
② 【非競合の同コスト駒数】集めたい駒以外の駒を、各プレイヤー(自分含む)が何体ずつもっているか。
設定によって数%程度確率が変動しますが、ありえる範囲で設定して確率を算出します。
① × ②の数だけ既に駒が場に出ることになりそれだけ欲しい駒が出る確率が上がります。
確率
では見て行きます。
1コスト
① 【残りのプレイヤー人数】10人
② 【非競合の同コスト駒数】9体
各プレイヤーが星3を持っていたり、星2を2体とベンチに数体のコスト1を持っているぐらいの中後半の想定ですね。
グラフの説明
上の表は、『縦軸:レベル』『横軸:競合する駒のピック済み駒数』で値が出現確率です。下のグラフは、表をグラフ化したものでそれぞれ線はレベル毎の値です。
※ クリックで拡大します。
※ 表はヒートマップっぽく色をつけてみました。
表の赤枠で囲んでいる競合数の箇所がポイントです。
それぞれ、以下の状況の想定ですね。
また、レベルについては前半中盤のレベル7ぐらいまでは、ゴールドが50溜まるまで貯金していることが多く、ガチャにゴールドを割けないことが多いと思いますので、レベル8のところに赤枠入れました。(5コストだけ10レベルの所。8レベルは1%未満で見てもしょうがないレベルなので)
それでは、どんどん行きます。
2コスト
① 【残りのプレイヤー人数】10人
② 【非競合の同コスト駒数】9体
レベル1では、2コスト帯は出現しません。
3コスト
① 【残りのプレイヤー人数】10人
② 【非競合の同コスト駒数】9体
レベル2以下では、3コスト帯は出現しません。
4コスト
① 【残りのプレイヤー人数】10人
② 【非競合の同コスト駒数】6体
レベル4以下では、4コスト帯は出現しません。プールが15体なので、15体以上の競合では確率が0になります。
また、条件も非競合6体にしています。4コストは集めずらく、星2が1体+ベンチに数体という状況が多いと思われるからです。
5コスト
① 【残りのプレイヤー人数】6人
② 【非競合の同コスト駒数】1体
レベル7以下では、5コスト帯は出現しません。プールが10体なので、10体以上の競合では確率が0になります。
また、条件も非競合1体にしています。5コストは非常に集めずらく、持っていないか、星1を1体、または星2が1体できるかどうかという状況が多いと思われるからです。
所感と考察
グラフについて
グラフ化して初めて気づいたのは、確率が2次曲線ではなく1次曲線的に推移することですね。競合0の状態から、各コストのプールサイズの競合数に向かって確率が収束していきます。
各コストにもよるけど、だいたいピーク時は素の出現確率(3コストならレベル8の30%)の半分程度(13%ぐらい)から線形的に出現確率が落ちていきます。
確率について
競合の有無
しあわせよっしーさんも着目していた競合の有無による確率変動。
この図では縦軸がコストです。
①星2⇒星3の確率差、または競合有無による星2確率差
場に競合が無い状態で星2にする場合(2)と場に競合が無い状態で星3にする場合(8)の比較ですね。または競合がある状態で、星2にする場合と考えても遜色ないと思います。
星2⇒星3としての確率差
1~3コストまでは、十分星3を狙える確率に見えますが、4コストになるとハードルが一気に上がります。5%はガチャ20回、40ゴールドに相当します。5コストにいたっては、ほぼ不可能に思えるレベルです。
4コスト、5コストは通常は星3を狙うのは困難で、運よく不思議な卵が出てくれたときに狙いに行く程度で良いかもしれません。
競合有無による星2確率差
競合がいた場合は、5コスト、4コストは星2にするのさえ困難です。集めるのは素直にあきらめたほうが良いかもしれません。
4コストなら、星2程度なら強引にねらいに行っても良いかもしれませんが、40ゴールドも覚悟しておいてください。
②競合有無による星3確率差
場に競合が無い状態で星3にする場合(8)と場に競合が無い状態で星3にする場合(17)の比較ですね。
プールサイズが4コストは15、5コストは10しかありませんので、誰かが(奇跡的に)星3を作っていたらもうあきらめる他ありません。
今まで私も大丈夫だと思っていたのですが、1コストでも7%と結構厳しい数字になっています。ガチャ15回、30ゴールド分は覚悟しておかないといけません。
1コストの駒が被っており、既に他のプレイヤーが星3を作成済みで、自分も狙いに行く場面はけっこうありますが、実は厳しい確率だったんですね。もうちょっと若いレベル帯で狙いにいくか、他の駒を狙いに行くついでぐらいじゃないとリターンが少ないです。
出現傾向
1コスト狙いのガチャは、6レベルで行くか、7レベルまで待つべきか
ゴブリンシナジー狙いや、戦神の星3を狙っている場合など1コストの星3を狙いに行きたい場面は多々あります。なるべく若いレベルで行くほうが良いのは分かっているけど、利子を貯めてからのほうが結局は良いのかどうか。
節約していれば、レベル6ぐらいでなんとか4~50ゴールドぐらい溜まってきますが、レベルを上げないとそろそろ負け初めてしまう。
どれくらいの差か?
1コストなら競合も1~2人いるでしょうから、17体ぐらい出ていてもおかしくありません。そうすると、レベル6で10%、レベル7で9%と実はそれほど確率差が1%しかありません。それぐらいだったら、利子をしっかり貯めてからレベル7でガチャしたほうが良いかもしれません。
ただし、レベル3、レベル4は目に見えて確率が高くなります。ギャンブルが好きならこの時間帯にガチャをしても良いかもしれません。なお、レベル5は最悪の時間帯ですね。レベル8以降も確率が下がり始めます。
2コストは癒し枠。どのレベルでも満遍なく出る。
2コストは狙いに行くよりも、そのうち出るさと思って、他のコストの駒を集めるついでぐらいで良いかもしれません。
3コストは低レベルでも意外と出るので集めるのもあり?
実はレベル5でも10%弱の確率で3コストの駒が集まります。この時期は利子のためにゴールドを貯めたいので、3ゴールドは高いですが、その分強力です。人狼や雷のスピリットなどは露骨に強いので集めても良いかもしれません。
4コストはレベル9、10ではめちゃくちゃ出る。
結構レアなイメージの4コストですが、レベルを9や10に上げれば結構出ます。特にレベル8とレベル10では2倍弱程度の差があります。
といっても、レベル9からレベル10に上げるには50ゴールド程度必要なのでガチャが20回以上引けてしまいます。それをどう見るか。
ライフに余裕があれば、レベル10に上げに行き、無ければレベル8か9で狙いに行くのがちょうど良いかもしれません。そこはプレイスタイル次第ですね。
5コストの星3は、もはや不思議な卵を狙ったほうが早い
1度は憧れる5コスト星3。星2は意外と作れるし、ごくたまに星2を2体つくれることはあっても、星3はいまだ作れたことがありません。
それもそのはず。
競合が全く無くても、最後の1体を引ける確率は1%以下です。ガチャ100回、200ゴールド以上かかる期待値となります。無理です。
対して、不思議な卵の出現確率は1.5%です。こいつのほうがまだ出ます。不思議な卵を頼らずに星3作るのは不可能では?
戦力的に星2を1体デッキに組み込みたいと思いますので、3体揃ったら合成してしまって良いと思いますが、星3を本気で狙いに行くなら、4体目以降は合成せずに持っておいたほうが確率は高いかもしれません。
『5コスト星1 × 4 + 不思議な卵星1 × 2』か、『5コスト星2 × 1 + 不思議な卵星2 × 1』という組み合わせのために。
欲しい駒の星2、星3をねらうには?
ちょっとしあわせよっしーさんの動画の内容と被るのですが、ガチャを行うタイミングやそもそも狙うべきかを考慮すると、勝利に近くなると思います。
特に3コスト以上の駒は競合すると星3をねらうのが難しくなります。
最後まで残るには星3の駒の数は強く影響しますので、星3をねらえる競合のいない駒をねらいに行くという戦略です。いわゆるブルーオーシャン戦略ですね。
ただし、途中でシナジーを組み替えるのはテクニックが必要です。特に駒の種類が少ないシナジーほど駒を組み替えるのは難しいので、駒の種類が多いシナジーのほうがより柔軟に対応できます。
具体的にはウォリアー、アサシン、ドルイドが柔軟に狙いやすいと思います。ドルイドは種類は少ないですが、シナジーや仕様的に例外的に星3が作りやすいです。
プレイヤーが敗北すると、駒はプールに戻ります。
競合していたプレイヤーが敗北したタイミングは大チャンス。いらない駒はプールから取り出され、欲しい駒がたくさん入った状態になります。
敗北しそうなプレイヤーや競合プレイヤーはチェックしておき、敗北した後にガチャをするとより高確率で欲しい駒をゲットできます。
基本ですね。以下は比較的出やすい時間帯。
コスト1:~レベル7
コスト2:~レベル9
コスト3:レベル6~8
コスト4:レベル8~
コスト5:レベル10
確率も低いのに集めてしまうと、無駄にベンチを圧迫してしまいます。
利用されない駒は利益を生み出さないタンス貯金と一緒です。さっさと売却して、利子を生み出してもらったほうが勝ちに近づきます。
2体集まって星2や星3までリーチとなっている駒が複数体ある場面では、ガチャを行う価値が高くなります。
ある駒では3体目が来る確率が10%程度だとしても、それが3ペア、4ペアあれば、擬似的に確率が3倍、4倍になっていると考えることができます。
3ペアあれば確率は40%ぐらい、4ペアあれば50%を超えるかもしれません。
ガチャ1回か2回で揃うことが期待できる数字です。たとえ、50ゴールド溜まっていないときであっても、駒が揃って星2や星3が出来て、勝つことができるなら勝利ボーナスが入り、ライフも守れ、利子よりもリターンがあるかもしれません。
コスト4、コスト5の駒は非常に集めずらいです。
どうしても星3をねらいたい場合は、不思議な卵を利用しましょう。
さいごに
オートチェスのように確率が絡むゲームは確率を把握することで、より戦略的に行動することができるようになります。
あと1体の出現確率は、10%だからガチャ10回、20ゴールドかかる期待値だからその分は貯めようとか、同様にオールインすれば星3が作れる可能性が高い、といったことを考えることが出来ます。
対戦ゲームですから、負けるよりは勝ったほうが楽しいですよね。確率を把握すれば、より1歩勝ちに勝ちに近くなれると思います。
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