米Microsoftは2018年12月6日(現地時間)にEdgeを「Chromium」ベースへ移行する計画を発表しました。
そして、2019年5月26日(現地時間)に行われた開発者向けの年次イベント「Build 2019」にて、Microsoft Edgeの「Chromium」版の機能に関していくつかの発表を行いました。
今回発表されたIE11モードと、他2つの機能を紹介したいと思います。
Chromiumベースの「Edge」の新機能
Internet Explorerモード
Chromiumベースの「Edge」に、IE11の完全なる互換性を実装すると発表しました。
このIE11モードはユーザーが手動で切り替えるのではなく、Edgeが自動的にIE11モードへ切り替えるというものだと説明しています。「existing Enterprise Mode Site List」に、IE11レンダリングが必要なサイトを登録しておけば、Edgeが自動的にInternet Explorerモードに切り替えます。
ユーザーは普段は高速なレンダリングの恩恵を受けつつ、IE11専用のWebサイトもそれと意識せずに利用できるようになりそうです。
参考:Enterprise Mode Site List Manager の使用
多くの企業では、社内ポータルサイトやシステムがIE11のみしかサポートしておらず、未だにIE11をPCにインストールさせ、セットアップせざるおえない状況があります。
この状況は開発者や運用担当者への負担が増えるだけでなく、ユーザーにとってもIE11とEdge、さらにはChromeなど複数のブラウザを併用しなければならず、お気に入りの分散や操作方法を複数覚えなくてはならないという状況を生み出していました。
IE11互換モードを備えたChromiumベースの「Edge」が正式にリリースされれば、1つのブラウザで運用することができるようになり、多くの問題を解消できるのではないでしょうか。
コレクション(Collections)
Webコンテンツを簡単にメモできる機能です。
簡単に説明するとWebサイトの情報を超簡単にコピペできるようにする機能のようです。
引用:Microsoft Edge – All the news from Build 2019
お気に入りバーのような領域に、Webコンテンツ(画像やテキストなど)をメモすることができ、さらにそれをWordやExcelにエクスポートすることができます。
MSとしては、引用付きの配布資料したり、価格順に並べ替え可能なスプレッドシートの買い物リストなどを作ることを想定しているうようです。
エクスポートの操作
スプレッドシートの出力イメージ
スプレッドシートの出力は、自分のOneDrive上にExcelでエクスポートするもののようですね。これは便利そう。
大学生のレポート作成や仕事での情報収集などに活用できそうですが、著作物の無断使用、Webコンテンツの盗用を助長してしまわないかは少し懸念点されますね。
この機能はまだ初期段階で、プレビュー版でも使用できません。(2019/5/6時点)
プライバシーツール
Webサイトのクッキー(cookie)やscript、サードパーティのトラッキング (tracking)のブロックなどの設定を簡単に設定できる機能のようです。
ユーザーはプリセットされた3つのレベルから選択し、ウェブブラウジングを保護することができます。
・中(Balanced)
・高(Strict)
これまでのプライバシー設定の拡張版のイメージですね。
これまでのクッキー(Cookie)の制御に加えて、トラッキング(tracking)の制御も加えたものという感じですね。
リリースについて
Chromiumベースの「Edge」のプレビュー版
2019年4月8日(米現地時間)に、64ビット版のWindows10用のChromiumベース「Edge」プレビュー版がリリースされました。興味のある方は試しにインストールしてみてはいかがでしょうか。
またChromiumベースの「Edge」は今後、「Windows 7」「Windows 8.1」「Mac」版もリリースする予定だとしています。
IE11のサポートについて
IE11のサポート期限は以下の通りです。
Windows 10版:2025年10月まで
Chromiumベースの「Edge」が正式にリリースされたら、早々に切り替えたほうがよさそうですね。Windows 7版のEdgeもリリースするとのことなので、長らく生き残って開発者を苦しめてきたIEが遂に幕を閉じる日がくるかもしれません。
Chromiumベースの「Edge」の正式版はいつ?
MSのブログのInternet Explorerモードに関する説明の中で今年の後半(later this year)にMicrosoft Edgeの展開と管理に関する詳細を共有するとの記載があること、そしてWindows7版のIE11のサポートが2020年1月に切れることから、今年の後半(2019年末)、もしくは来年(2020年)の1月頃までに正式版がリリースされるのではと予想します。
IE11のサポートが切れる前にEdgeに切り替えてね、というストーリーが想像されます。
今のところいつChromiumベースの「Edge」の正式版がリリースされているかは、発表されていないようです。(私は見つけられていません。)
プレビュー版については、数ヶ月かけて続々とバージョンアップしていくようです。
さいごに
私は仕事場では、IE11、Edge、Google Chromeを使い分けており、プライベートではfirefoxとGoogle Chromeを使い分けています。(IEは、まぁごくたまに。。)
今の使い分けなければならない状況は正直めんどうですが、Chromiumベースの「Edge」が使いやすくセキュアなブラウザとして完成してくれれば嬉しいことです。
(追記:2019/7/22)Chromiumベースの「Edge」のプレビュー版もすでに利用可能になっています。ぜひ実際に利用してしてみてください。
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