以前、オンキヨーのホームAV事業譲渡について記事を書いたのですが、2019年10月4日に事業譲渡の中止が取締役会で決議されました。
事業譲渡の中止理由
条件達成が互いに難航し、Viper Holdings 社と協議を重ねながら、実行に向けた努力を続けてきましたが、このたび、譲渡契約の有効期限である 2019 年 11 月 30 日までに譲渡が完了する目途が立たないこと、また、そのような状況の中、譲渡契約に今後も互いに拘束されるのは得策ではないと判断した
引用: (開示事項の中止)子会社の異動を伴う株式譲渡及び子会社の一部事業譲渡の中止 に関するお知らせ
お互いの条件の折り合いが付かなかったってことなんですかね。
事業譲渡の中止後の見通しについて
2019 年6月 14 日付公表の「ホームAV 事業の譲渡と今後の戦略について」を見直しするとのこと。
ホームAV事業を含む当社グループの事業再建、新たな資金調達による当社グループの財務体質の健全化、各事業の発展のために必要な提携・協業について具体的な検討を進めるとともに、大規模な合理化策の策定に向けた準備も始めており、決定次第速やかに開示いたします。
引用:(開示事項の中止)子会社の異動を伴う株式譲渡及び子会社の一部事業譲渡の中止 に関するお知らせ
実際に以下のような施策が行われているようです。
本社移転
3.移転の理由
引用:本社移転に関するお知らせ
全社的合理化策の一環として、本社機能(北浜)と設計技術機能(寝屋川、北浜、両国)を集約し、固定費の削減を実現するとともに「モノづくり拠点」として事業活動の効率化を図るものであります
2018年度から比べると年20億円以上の削減を見込んでいるようですね。2019年と比べるとどうなんでしょう。
人員削減と組織のスリム化
2.希望退職者の募集の概要
引用:希望退職の募集について
1) 対象会社:オンキヨー株式会社及び国内連結子会社
2) 対象者:40歳以上60歳未満の正社員かつ拠点集約による転勤対象者
3) 募集人数:約100名
こちらも年間10億円の削減を予定しているようです。
ちなみにオンキヨーの従業員数は、単独で213人、連結で1,370人( 最終更新日:2019年12月20日 )とのことなので100人は結構な割合だと言えます。
モデルの取捨選択
さらにモデルも 457モデル→340モデル に削減して、カテゴリの選択と集中を行うとのこと。
今後の戦略について
以下が今後の戦略とのこと。
- サウンドスピーカービジネスを主軸に
- ゲーミング事業への展開
- 住宅市場への参入
オンキヨーが現在主軸にしている事業が縮小傾向にあるのに対して、上記の戦略はいずれもシェアが広がり始めている事業というのが共通点ですね。
老舗のAVメーカーであるがゆえの強みを生かして、頑張ってほしいところ。
特に次世代通信である「5G」の登場によりIOT( Internet of Things )が注目されています。モノとインターネットがつながる社会では、音声デバイスというのは重要になってきますよね。
さいごに
ちなみに株価は下がり続け2019年12月20日時点で株価は31円。
上場来の最安値は2019/05/20の30円ですが、先日も何度か30円にタッチしており上場来最安値を更新するかどうかの瀬戸際でした。まさにやばい状況と言えます。
ここを底値とみるか、はたまた最安値を更新してしまうと見るか。
今後の動きに注目したいところ。
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