サーバーの「ブォーッ」とか「ゴーッ」といった音や、人の雑談の声などが苦手な方向けの記事です。
私はサーバーやモーター音などの雑音がずっと鳴っている状態が耐えられません。 頭の中がぼーっとして集中力が落ち、そしてすごくストレスを感じます。脳の処理能力が雑音を処理するのに全部持っていかれるイメージ。
それ「聴覚過敏」かもしれません。
聴覚過敏とは
聴覚過敏(ちょうかくかびん、英: hyperacusis)は、大抵の人が十分我慢できる音を、苦痛を伴う異常な音として経験することである。耳の病理と関係する生理学的な要素だけでなく、心理学的な要素も含まれている。
出展:Wikipedia 聴覚過敏
とても音に敏感という特徴です。10人に2人いると言われるHSP( Highly Sensitive Person )の方はこの特徴を持つことが多いそうです。内向型の人は、得てして程度の大小はあるにしろ音に敏感な人が多いと思います。
自分も思い当たることがあり、周りの人にも『この人は聴覚過敏かな』と思える人がいます。
周りの音をすごく拾ってしまう
意識をしていなくても、あらゆる音を拾ってしまいます。
近くで誰かが話をしていると自分と全く関係なくても耳に入ってきます。誰かと会話をしていたとしても周りの話し声が頭に入ってきて、そちらに意識を持っていかれてしまいます。対面で会話している人の会話が頭に入ってこないということもあります。
雑音の中で声が聞き取りずらい
電車の中や車の中など、雑音が大きい環境では人の声が聞き取りにくくなります。聞こえていない訳ではなく、雑音と声が混じって音声を認識するのが難しいのです。
音がストレス
普通の人が平気な音でも非常にストレスを感じます。
常時聞こえるような雑音がすごく苦手で電車や車の環境音、人ごみのざわざわ、エアコンやうるさいテレビの音声などが苦手だったりします。外出するとこれらのストレスにさらされることが多くなるので、総じて外出を控えがちになったりします。
急な大きな音も苦手です。思わず体が「ビクッ」となり、心臓もバクバクしだす程です。
聴覚過敏はなかなかに生きづらい
仕事場でも周りの声が気になってしまう
周りの話し声が常に入ってくるので、私の場合は会話にすぐ割り込みたくなってしまいます。
『これはどうすれば良いでしょうか』とか『これって知ってますか?』とか、周りで会話がされていると、耳に入ってきてそれについて考えてしまいます。そして、自分が解決策を持っていると『それなら・・・』と口を出してしまうのです。
これは良い面も悪い面もあり、おそらく仕事場全体としてはパフォーマンスが上がっていると思いますが、自分の仕事が全然進まないということがざらにあります。
そのため、なるべく自分の仕事は持たなくて良いようにタスクを持つようにしました。自分のタスクを抱えている時は、意識して周りの会話を拾わないようにする必要があります。
サーバーや自動販売機の近くでは集中できない
作業場所がサーバーの近くになった時は、私は耐え切れないぐらいストレスを感じました。常にサーバーの音がする状況で頭の中が雑音でいっぱいになり、頭に霧がかかったような状態に感じました。それなのに周りの人はそれほど苦痛に感じていないというのですから私には理解できません。
その時はなるべくサーバーから遠くなる席に移動させてもらい、何とか普通に仕事をできるレベルに改善しました。
バイクやスポーツカーのエンジン音が許せない
最悪なのがバイクやスポーツカーなどの轟音です。
特にマフラーを改造しているのか、やたら轟音でエンジンをふかすバイクが家の近所などにある場合は定期的に轟音が鳴り響き非常にストレスとなります。
これについては対策が難しくひたすら耐えるしかありません。自ら音を大きくする人たちは何を考えているのでしょうか。。
聴覚過敏の対策は職場では難しい
家や図書館などなら耳栓してても問題なし
音を聞く必要が全くなければ耳栓が最強です。ほぼ音を遮断することができます。
電車の中ならイヤホンで回避可能
電車の中でエアコンの『ゴーッ』という音があるのもキツイと感じでいるのですが、そういう時もイヤホンで音楽を聴くことで回避できます。また、音楽を流さなくてもイヤホンを耳に入れているだけでも、耳に入る音量を減らすことができます。
でも、職場では音の遮断はできない
ですが、職場ではそうもいきません。
勤務時間中にイヤホンで音楽を聴きながら仕事できる職場なんてそう多くないと思います。 また、話かけられることもありますし電話が鳴ったら出なければなりませんので、音を遮断してしまう耳栓をするという訳にもいきません。
そのため、多くの方はどんなにうるさくても我慢していることだと思います。そこでおすすめしたいのがライブ用耳栓です。
ライブ用耳栓とは?
ライブで耳を守るための特別な耳栓
ライブ用耳栓とは、その名の通りライブやフェスなど大音量で音楽が流れる空間で使用するための耳栓です。
ライブやフェスでは大音量の音楽が流されています。そのため、ライブに行った後には耳に大きな負担がかかり、耳が聞こえにくくなったりなど軽い難聴のような状態になってしまいます。よくライブに行く人やミュージシャンは、日々大音量に耳をさらし続け負担をかけてしまうため難聴になってしまう人も少なくありません。
そこで、耳を守るために作られたのがライブ用耳栓です。
音量を下げつつ必要な音が聞こえる
ライブ用耳栓と普通の耳栓の大きな違いは、ライブ用耳栓は一部の音があえて聞こえるように作られているという点です。
ライブで耳を守るために耳栓をしたとしても、せっかくの音楽が聞こえなくなってしまってはライブの意味が全くありませんよね。そのため、ライブ用耳栓は耳に入る音量は下げつつ歌声や楽器の音はしっかりと聞こえるように作られているのです。
耳栓に組み込まれた特殊なフィルターが、耳に負担の大きい高周波や低周波を狙い撃ってカットする働きをしてくれています。
職場でライブ用耳栓が最強な訳
ライブ用耳栓のこの特性は実は普段の生活でとても有効です。特に職場でこそ必要な特性と言えると思います。
雑音に限定して音量を下げてくれる
耳障りな音といえば、やはり高音や重低音だと思います。私もまさに苦手なブゥーンと鳴り響くような音です。
ライブ用耳栓ではちょうどこれらの重低音や高音を適度にカットしてくれます。そのため、目の前のことに集中できるようになりますし、何よりストレスを低減してくれます。
人の声などは適度に聞こえる
人の声などの中音域は通すようになっているため人の声は聞こえるままです。それでいて、多少音量が下がり雑談などの声の不快感が軽減でき集中力を維持できます。
ですが、聞こえなくなる訳ではないため話しかけられたり、電話がなったりなどしてもちゃんと気づくことが出来ます。
ただし耳に入る音量は多少小さくなるので、少し距離が離れていたり元々声が小さい人と会話する場合は聞き取りにくくなる場合があります。しかし、その場合は耳栓を外して会話すれば問題ありません。
ライブ用耳栓は着脱しやすいようにつまが着いている物が大半なので、その点も安心できると思います。
耳栓をしていても周りにわからないので失礼にならない
まず、 耳の中にしっかり入れることになるので見た目的に耳栓をしていることがほぼわかりません。商品次第ですが、色も白や半透明のものであれば、よ~~~く見ると透明なつまみがちょっと出ている程度でよっぽどあなたの耳を注視されなければわかりません。耳が隠れる髪型の女性(男性もですが)の場合であれば絶対にわかりませんね。
また、声はちゃんと聞こえている訳ですから尚更気付かれないです。
私も職場で集中したいときにライブ用耳栓をしますが何か言われたことはありません。耳栓をしたまま普通にトイレにも行きます笑。
ライブ用耳栓の選び方は?
選ぶポイント
ライブ用耳栓を職場用に選ぶポイントは、重要度順に以下の3つだと思います。
- 装着感
- 特性
- 値段
<装着感>
実際に職場でつける場合は長時間装着し続けることになります。そのため、耳の形に合わないものを付けてしまうと、耳が痛くなってしまったりストレスになってしまいます。こればっかりは、実際に試さないとわからないかと思います。
が、割と柔らかい素材ですので、よっぽど大丈夫だと思います。
<特性>
職場や普段使いでは声などの中音は遮断されず高音低音は遮断するような特性を選ぶのが良いと思います。ライブ用などの本来の用途では好みや聞くジャンルによって、高音はあまり遮断しないものを選ぶなどの選択肢がありますが、日常ではたいていの高音と低音は聞こえなくても困ることはありませんからね。
<値段>
言わずもがな。お財布と相談です。
紹介
いくつかライブ用耳栓を紹介したいと思います。
CRESCENDO Office
オフィスでの雑音を抑える事で、仕事の効率や快適さは格段に向上します。他者の会話や電話の着信音を気にならないレベルへ抑える一方、注意を払った会話は聞き取れます。
引用: CRESCENDO 製品紹介 Work Office
このオランダ製の商品はイヤープロテクターという位置づけで利用シーン毎にカスタマイズされた耳栓を出しています。その中でもOffice向けに特化した商品がこれです。人の声を聞こえるようにするためか、音圧低減効果は比較的弱めに作られているようです。
ALPINE HEARING PROTECTION MusicSafe Pro
ライブハウスやコンサートなど大音量の会場でパフォーマンスをするミュージシャンの耳を守る為に開発されました。 抑えたい音量に合わせた周波数特性の違うフィルターを3種類備え、ALPINE HEARING PROTECTIONイヤープラグの中で最も豪華なエディションです。
引用元:ALPINE MusicSafe Pro
もっとも聞き取りやすく耳への影響の大きい2kHzを中心にカットし、その他の帯域を残すことでより自然な遮音を可能にし、耳への影響を最大限に落とす様に設計されています。
定価が3,000円以上するだけあって高性能な商品です。フィルターも音圧低減の度合いの異なる3種類が付属されているため、最適なものを自分で選ぶことができます。
ちなみに 250Hzは男性の声、500Hzが女性の声、2KHzは乳児の金切り声くらいらしいです。よくも悪くもちょうど耳に響く2kHz帯の音域をカットしてくれます。
↓2KHzはこんな感じの音域。
Quietide Q6
Amazonで約1,800円(2019年11月時点)と、ライブ用耳栓としてはほどほどぐらいの価格帯の商品です。
それでいて耳栓を2つのサイズから選べたり、独自開発のフィルターにより音圧はしっかりと低減しつつ、 装着時でも快適にコミュニケーションが取れるように設計されています。
所感
「CRESCENDO Office」と「 Quietide Q6」を実際に使っていますが、正直どちらも使い心地はそこまで変わらないですね。適度に雑音をカットできるので集中したい時やリラックスしたい時に重宝しています。
職場のデスクの上に付属の専用ケースに入れて置いてあり、集中したい時に使っています。(ただし、ケースから取り出しにくいことがあるので注意。)
家にも置いてありエアコンの音が気になる時や寝る時などにたまに使っています。(目覚ましの音は聞こえるのでちゃんと起きれる)。
またフィルターを取り外して洗うこともできるので清潔に使うことができます。本当に買って良かったです。
さいごに
普段から人ごみが苦手だったり、音にストレスを感じる人はライブ用耳栓で少しだけ楽になるかもしれません。
職場は寝ている時間を除けば平日は家よりも長く過ごす空間です。いかに仕事中を快適に過ごせるかというのは、人生においてもとても重要な問題だと思います。少しの投資で快適に過ごせるようになるライブ用耳栓は悪くない投資だと自分は思います。
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