音響機器メーカーのオンキヨーが2019年6月26日に行なった第9期株主総会にて、ホームAV事業を米Sound United社に譲渡することが承認可決されました。
音響機器メーカーとしての在り方が大きく変わることになります。
そこで、オンキヨーのこれまでの歴史を「いらすとや」を使ってわかりやすくまとめてみました。
- オンキヨーの歴史
- 1946年:創業。スピーカーやアンプなどの据え置き音響機器で一時代を築く
- 1980年代後半:全盛期。「ミニコンポ」ブームを牽引
- 2000年頃:低迷。mp3やiPodなどのポータブルオーディオの台頭
- 2012年:経営再建目指す。米老舗ギターメーカー、ギブソン・ブランズと資本業務提携
- 2015年3月:パイオニアのホームAV事業を買収。しかし、赤字継続
- 2018年:ギブソンの経営破綻。しかし、中国家電大手TCL集団と提携など再建へ向け施策を模索、構造改革を断行
- 2019年3月:6期ぶりに当期損益の黒字転換を果たす
- 2019年6月:ホームAV事業を米Sound United社に譲渡を決定
- 今後はインド事業の強化と、車載用やテレビ用などのOEM生産の拡大など目指す
- さいごに
オンキヨーの歴史
1946年:創業。スピーカーやアンプなどの据え置き音響機器で一時代を築く
初めてオンキヨーからヘッドフォンを発売したのは1970年だそうです。
もう50年近くヘッドフォンを作り続けているのですね。
1980年代後半:全盛期。「ミニコンポ」ブームを牽引
南野陽子さんがイメージキャラクターに
ミニコンポRadianシリーズのイメージキャラクターに南野陽子さんを起用。カタログをはじめ、広告、テレビCM(1988年)も制作し、若者層を中心に大きな反響を呼んだ。
引用:Onkyo ヒストリー
2000年頃:低迷。mp3やiPodなどのポータブルオーディオの台頭
01年末に初代iPodが発売しました。
このぐらいの頃から高級オーディオから、手軽な音楽鑑賞がメインに移り変わります。
2012年:経営再建目指す。米老舗ギターメーカー、ギブソン・ブランズと資本業務提携
提携の目的は互いのブランド商品の相互供給などによる海外シェア拡大だったが、「思うようにシナジーが出せなかった」(オンキヨー)
2015年3月:パイオニアのホームAV事業を買収。しかし、赤字継続
パイオニアホームエレクトロニクスは、国内販売ほかの一部事業を他の子会社に事業譲渡した上、オンキヨー&パイオニア株式会社に商号変更した。
2018年:ギブソンの経営破綻。しかし、中国家電大手TCL集団と提携など再建へ向け施策を模索、構造改革を断行
2019年3月:6期ぶりに当期損益の黒字転換を果たす
株価も少しずつだが持ち直し始めた。
2019年6月:ホームAV事業を米Sound United社に譲渡を決定
譲渡額は82億円、関連収益を含め約100億円の見通しです。今後は年数億円程度の安定したライセンス収入を見込みます。
今後はインド事業の強化と、車載用やテレビ用などのOEM生産の拡大など目指す
※ OEM(original equipment manufacturer)とは、他社ブランドの製品を製造すること
当社は、当社OEM事業の主要生産拠点となるインド工場において、好調に拡大する受注に対応し、昨年度比約3倍となる、月産50~60万台体制に向け、生産ラインを拡大してまいります。
インドの人口は約13.4億人 (2017年)とすさまじい数です。
まずはその膨大なインド国内の乗用車市場を狙った車載用スピーカーの生産ラインとのこと。本当にうまく軌道に乗れば成長性がすごそうですが。
その他、ヘッドホンやイヤホンなどに経営資源を注ぎ込むとのこと。
その他参考にしたページ
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190522-00010003-phileweb-ind(リンク切れ)
さいごに
今の音楽業界はハードもコンテンツも苦しい時代です。
オーディオ媒体がアナログからデジタルに台頭してきた2000年代は、まだネットワーク帯域や記録媒体の容量なども(今と比べれば)貧弱で、圧縮音源された低品質な音楽が主流でした。
ですが光回線や5G、ハードディスクもテラバイト容量が当たり前な今は、むしろ高品質な音響機器が活きる時代となったのではないでしょうか。
日本の音響機器メーカーには、ぜひ踏ん張っていただきたいところです。
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