【22時30分の恐怖】深夜のNHK訪問で悪用される心理テクニックとは

心理学
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先日、深夜のNHK訪問に遭いました。

22時半の深夜に訪れたNHKの担当営業は様々な心理テクニックを駆使して、私に契約しろと迫ってきました。

男性の私でも夜遅くにいきなりこんな迫られかたをしたら、少し危機感を覚えてしまいます。ましてや独身女性などがうかつに深夜の訪問に応じてしまったら、恐怖以外の何ものでもないのではないでしょうか

また強力な心理誘導のもとでは、防御できなければ、意味もわからず契約書にサインしてしまう可能性があります。

今回は自己防衛のためNHK営業の駆使してきた心理テクニックを見ていきたいと思います。

心理テクニックはうまく利用すれば交渉などを有利に進められる有益なものですが、それは裏を返すと知らずに利用されるとうまく誘導されてしまうということです。

こうしたことは事前に知っておくことで、安易に誘導されないように対策が可能になります。是非、頭に入れておいてください。

まぁ、そもそもうかつに突然の訪問には応じないという防衛が大事ですが。

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経緯

22時30分という深夜に突然の訪問

平日の22時30分頃のことでした。

たまたま長引いた仕事のせいで、ようやく帰宅した私が夕食を作ろうと食材を冷蔵庫から出したそのとき、こんな時間というのにまさかのチャイムの音が。

少し不審に思いながらも疲れた頭だったため、あまり考えもせずにドアを開けてしまいました。

まさかのNHK

そこにはなにやら端末を持った営業風の男性がひとり。

『NHKのものです。』

うわぁ~、こんな時間に・・・っていうか、時間を考えろ。。

その後は色々とあの手この手

少し話を聞いてしまったのが運の尽き。

そこから20分弱話をすることになってしまいました・・・

NHK営業の駆使してきた心理テクニック

『上司のものです』:後光効果(ハロー効果)

ある対象を評価する時に、それが持つ顕著な特徴に引きずられて他の特徴についての評価が歪められる(認知バイアス)現象のこと。後光効果ハローエラーともいう。例えば、ある分野の専門家が専門外のことについても権威があると感じてしまうことや、外見のいい人が信頼できると感じてしまうことが挙げられる。

出展:Wikipedia

肩書きと見た目だけで人は権威を感じてしまうという心理効果です。

最初はひとりだと思っていたのですが、扉の死角から、にょきっともうひとり男性が登場したのです。

その男性はピシッとしたスーツとバッチり決めた髪形でこう名乗りました。

『上司のものです。』

最初に出てきた男性はおそらく布石で、上司と名乗る男性が登場した後は最初に出てきた男性は一切話に加わりませんでした。

そもそもこちらとしては上司とか部下とかどうでも良いのですが、上司と名乗るものから説明を受けることによって無意識に権威性や説得力を感じてしまうのです。

開始早々の先制攻撃です。

なお上司なんてのは名乗りだけで本当かどうかなどわかりません。名刺などもありませんし、首からぶら下げている名札を一瞬ちら見せされただけでした。

『他の方はみんな契約していますよ』:バンドワゴン効果

バンドワゴン効果(バンドワゴンこうか、: bandwagon effect)とは、ある選択肢を多数が選択している現象が、その選択肢を選択する者を更に増大させる効果。「バンドワゴン」とは行列先頭に居る楽隊[1]であり「バンドワゴンに乗る」とは時流に乗る・多勢に与する・勝ち馬に乗る[2]という意味である。

出展:Wikipedia

みんながやっているなら安心、と思ってしまう心理効果です。

これは日本人には特に有効なテクニックのひとつです。もともと村社会であった歴史、今でも空気を読むという言葉が多く言われるように、日本人は同調圧力に弱いのです。

深夜にいきなり訪問してきた男性にいきなり書類を突きつけられ『名前と住所を書いてください』と言われ、とっさに私は拒否反応を示しました。そうすると男性はこう言いました。

『他の方はみんな契約していますよ』

本来はみんながどうしているかというのことは、自分がどうするべきか、という判断には関係ないはずなのです。

ですが、みんなやっていると言われると、同調圧力を感じてしまい自分も多数の人と同じようにしたほうが良いのでは、と思ってしまうのです。いわゆる空気を読んでしまうというものです。

これは悪徳営業などでも良く使われるテクニックです。この手の「みんなも」ということを強調するフレーズは気をつけてください。

そもそも他のみんながどうしているかなんて、その場では本当かどうか確かめようが無いというのに。



『最高裁で契約の義務があると判決がありました』:権威への服従原理

人は権威者や専門家の言う事はほぼ無条件に信じ込んでしまうという特性を持っている、という原理のことです。

「ミルグラム効果」とも呼ばれ、「教師役」から電気ショックを被験者に対して与えるよう指示された「生徒役」が、被験者がどんなに苦しんでも電気ショックを与えることをやめなかった、という実験が有名です。

えらい人の言葉は無条件で正しく思ってしまう原理です。

『何を言うかより、誰が言うか』ってやつですね。

いきなり押しかけられて何の説明もなしに契約を迫られても名前など書けないと、拒否する私に男性はこう言いました。

『今年の5月にNHKの契約をめぐる裁判があり、最高裁が契約の義務があると判決を下しました。』

この発言、実はかなり卑怯な発言です。

裁判という言葉は罰則を連想させます。暗に『契約しないと罰則がある』とか『強制である』といったことを想像させます。また最高裁という言葉は、非常に強力な権威性を持ちます。最高裁の判決は『絶対』であるというイメージを持ちます。

つまり『NHKの契約は無条件で義務である。最高裁がそう言っている。契約しないとマズいことになるぞ』というイメージを持たせる発言なのです。

そして、さらに卑怯なのはこの裁判の詳細を語らないことです。

2019年5月に争われた裁判とは、自家用車に設置しているワンセグ機能付きのカーナビについてNHK受信料契約を結ぶ義務があるか(放送法の受信設備に該当するか)、ということが争点の裁判です。けして、NHKの契約は絶対であるか、という裁判ではありません。

放送法では受信を目的としない受信設備の設置、若しくは受信設備が無い場合は契約の義務は生じないとしています。

あえてこの裁判の詳細を伝えないことにより、ミスリードを誘っているとしか思えません。

私はたまたまこの裁判のことを知っていたため、「受信設備」に関する話であることをわかっていましたが、知らなかった場合は完全に勘違いしてしまうと思います。一種の脅迫に近い言動だと私は思います。

『あなたの部屋にあるテレビは~』:コールドリーディング

コールド・リーディング(Cold reading)とは話術の一つ。外観を観察したり何気ない会話を交わしたりするだけで相手のことを言い当て、相手に「わたしはあなたよりもあなたのことをよく知っている」と信じさせる話術である。「コールド」とは「事前の準備なしで」、「リーディング」とは「相手の心を読みとる」という意味である。

出展:Wikipedia

これがメンタリズムです。

裁判の話はあくまで受信設備がある場合の話ですよね、という話をしました。そうすると・・・

『あなたの部屋にあるテレビを実家などに譲ったら、そのときはNHKの契約を解約できます。』

あなたがテレビを購入して部屋に置いているのは知っているんだぞ、とでも言わんばかりの言動をしてきました。

ただし、これは本当に何かの情報を持って言っているのではありません。あくまで多くの場合に当てはまるであろうことを、さも知っていることかのように言っているだけです。

もし、テレビがあるが嘘をついているという人であれば、この時に『何でテレビを持っていることを知っているんだろう。何か特別なルートで知っているのか。』とドキっとしてしまうかもしれません。

ですが、パソコンのディスプレイならあるよと伝えると、でもパソコンにはチューナーが付いてるでしょ。などと言ってきました。

やっぱり。。完全にテレビの有無は、確証がないのに、さも確証があるように言っているだけだとわかりました。

『日中あなたが不在だったので、こんな時間に来ることになった』:返報性の原理

人は他人から何らかの施しを受けた場合に、お返しをしなければならないという感情を抱くが、こうした心理をいう。この「返報性の原理」を利用し、小さな貸しで大きな見返りを得る商業上の手法が広く利用されている。
出展:Wikipedia

こんなに何かしてあげたら、あなたも何かしてくれるよね?

押し問答が続きさすがにイライラして来た私はこう言いました。

『こんな時間に来ておいて、いきなり詳しい説明もなしに契約してくれと言われても応じられる訳がない』

そうしたら、このように返してきました。

『日中あなたが不在だったので、こんな時間に来ることになったんですよ』

だから、あなたも譲歩してください。

少しでも「悪かったなぁ」と思わせたら成功です。そう思った相手は「だったら何かしてあげなきゃ」と考えてしまうのです。

まぁ、さすがに今回は神経を逆なでされただけとなりましたが。

『契約後に解約できます』:誤前提暗示

ありもしない前提を相手に伝え、相手の判断を自分の思い通りにコント口ールするテクニックです。

 「トッピングはポテトになさいますか、それともサラダになさいますか」

あぁ、これで何回断っただろう。いつの間にか相手の言い方も変わってきました。

『契約後に解約できますので。』

なんだかいつの間にか「契約することが前提」になっていました。

契約するかしないかという2択だったはずなのに、契約するか契約してから解約するか、という2択に置き換わっていたのです。

このときに『解約できるなら・・・』と油断してしまってはいけません。

NHKは解約が面倒なことで有名です。

まず解約用の電話番号に繋がりにくい、引き止められる、解約届を出しても審査があるなど、簡単に解約できるとは思ってはいけません。

『名前と住所を書いて下さい』同じことを繰り返す:ブロークンレコード テクニック

ブローキングレコードテクニックとは、壊れたレコードプレイヤーのように同じ指示を繰り返す方法です。
淡々と感情を込めずに、同じ言葉で繰り返すことによって相手に「これは逆らっても無理そうだ」と思わせるテクニックです。
子どもが好ましくない行動をしたときなどに有効なテクニックです。

とにかく相手を従わせるためのテクニックです。

色々と会話を続けるなかで、ひと呼吸区切りつくたびに契約書を突き出して男性はこう繰り返しました。

『名前と住所を記入してください。』

何度もです。

契約書の細かい説明も無いまま、とにかく名前と住所を書けというのを繰り返されました。押しに弱い人の場合、下手したらこれだけで記入してしまいかねません

淡々と同じ言葉を繰り返すこのブロークンレコードテクニックは攻防それぞれの利点があると思います。

攻:相手に「こちらが何を言っても無駄だな」と思わせることができる。一種のあきらめを持たせることができ、要求を飲ませることができる。

防:機械的なルーチン化をして言葉を発するため、発した言葉に対する相手のリアクション(主に暴言などの負の言葉)を受けても、心理的な負担を負いずらい。

攻の効果は、押しが弱い人に対しては強力な効果があります。

そして、今回のNHKの訪問担当者という観点ではこの「防」の効果がむしろメインだと考えています。NHKの訪問では当然ながら、相手から拒否や否定をされることがどうしても多くなります。

慣れているとはいえNHKの担当者も人間です。きつい言葉や否定の言葉を浴びれば、心理的に無意識化でも傷ついてしまいます。

ですが、このブロークンテクニックではあえて感情を排して言葉を発するためこれらのダメージを抑えることが可能です。

こんなテクニックを使わざるおえないとは、なかなかつらい仕事だと思ってしまいます。

さいごに

通常の営業と比べ権威性を示しやすいため、NHKの訪問はとてもやっかいに感じました。

本来は色々な条件のもと義務が発生する場合、しない場合があるはずなのにそれを説明せずに、言わば脅迫じみた方法で契約を迫ってくるあたり非常に悪質に感じます。

自分を守るためには情報を持っておくことが大切です。

紹介したテクニックは、巧みにこちらの判断を誘導するものですが、これらのテクニックを頭に入れておけば、誘導されかけた判断を適切な判断に戻すことが可能になります。

ちなみにこれらのテクニックを自分で使うと、交渉を有利に進められてしまうのは言うまでもありませんね。

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