国語の教科書にのっていたタイトルでやたら印象に残っているタイトルがあります。
高校生の現代文だったような気がしますが具体的には覚えていません。ですが、やたら渋い声の先生が読み上げる『マラソンランナーは孤独か』という印象的なフレーズと、そんな考え方もあるのかと思わせてくれた内容が、いまだに記憶に残っている理由かもしれません。
他にも学生時代にこの「マラソンランナーは孤独か」を覚えている人がいて、どんな内容だったか、気になっている人がいるのではないでしょうか。
『マラソンランナーは孤独か』とは
高校の現代文の教科書に掲載されたエッセイです。(たぶん)
著者
丸山 健二
1943 年 12 月 23 日生まれ。長野県飯山市出身
長野県に移住後、文壇とは一線を画した独自の創作活動を続ける。長編小説のほか、メッセージ性の高いエッセイや写真と散文による写文集などを刊行。著書多数。最新刊として、2011 年 2 月エッセイ『さもなければ夕焼けがこんなに美しいはずはない』(求龍堂)、2011 年3月写文集『草情花伝』(駿河台出版社)、2011 年 4 月小説『眠れ、悪しき子よ』(上下巻/文藝春秋)を近年の集大成として 3 冊連続刊行。
2011 年 4 月 28 日から公式サイト「WEB 丸山健二」で Twitter(毎日更新)とブログ(週 1 回更新)で強烈なメッセージを送り続けている。
▽ ブログ(ここだと思います。)
出展
「安曇野の強い風」という著書からの引用のようです。
「安曇野の強い風」とは
吹け! アルプスの白い風、原野をわたる青い風。けわしい北アルプスの山麓・安曇野に住み小説の執筆にいそしむ気鋭の作家が、四季折々につづる山野のスケッチと、生活の考えと楽しみにふれるエッセイ集。
作者 :丸山健二
出版社 :文藝春秋
発売 :1986年2月
ジャンル:エッセイ
内容にについて
細かい部分はあまり覚えていないのですが、以下のような内容が記憶に残っています。ただ、本当にあくまで記憶ベースなのでちょっと違うかもしれません。
マラソンランナーは人生の縮図である
マラソンは人生の縮図である。
スタートラインに立ったら、孤独に走り抜くしかない。まわりで応援してくれる人たちがいても、結局は独りなのである。
マラソンランナーにかける『頑張れ』は自己満足
人々がマラソンを見て応援する行為は、自分の代わりにマラソンランナーに苦しんでもらう行為である。
自分が頑張るのはつらいので、マラソンランナーの苦しそうな姿を見ながら応援することによって、擬似的に自分が頑張っているのと錯覚して自己満足する行為に他ならない。
そもそもマラソンランナーは頑張っていのだ。これ以上、何を頑張れというのか。
『頑張れ』という言葉について
この著書を読んで、とても納得した記憶があります。
マラソンランナー、もといスポーツ選手はすでに相当頑張っている。そこに追い討ちのように『頑張れ』と声をかけたとしても、『もう頑張っているよ!』となりかねない。
もちろん、頑張れという掛け声は日本では一般的なので、そのように考えずに、素直に応援してくれている、という風にとらえやる気をもらえている人が多数だと思いますが。
『頑張れ』とは
それでは、そもそも『頑張れ』とはどういう意味か調べてみると以下のとおりです。
困難にもくじけず、物事を成し遂げるように、相手を激励するための、呼びかけ。「頑張る」の命令形で、支援・応援の掛け声として最も一般的な表現。
引用:実用日本語表現辞典
『頑張れ』は命令形、つまり相手に要求する言葉です。『頑張って』も強さが違うだけで、相手に要求する言葉に他なりません。
『頑張れ』は無責任な言葉
だいたいの場合、頑張れというのはその言葉だけです。
何か手を差し伸べるでもなく、ただただ「頑張れ」の言葉を送るだけ。それだけでもありがたいと思うべきでしょうか。
本当に成し遂げて欲しい、力になりたい、ということであれば「何かできることはある?」とか、「○○ならできるよ」みたいな形で協力するような言葉になると思います。
あれっ、残業? 頑張ってね、お先~。
残業ですか。大変そうですね、何か手伝えることがあったら言ってください。
どちらの言葉のほうが嬉しいでしょうか。
『頑張れ』はうつの人には使ってはいけない
鬱(うつ)の状態の人には『頑張れ』という言葉は禁句だと言われています。
理由としては、これまでまじめに頑張りすぎた結果、うつになってしまったのに、そこからさらに「頑張れ」ということによりさらに頑張ろうとして、追い詰めてしまう。はたまた、『頑張れない自分』に対して自己否定的になっている状態で、そこに「頑張れ」と声をかけてしまうと、さらに『頑張れといってもらったのに、頑張れない自分』というもっと自己否定感が強くなってしまって、追い詰めてしまう。などのような理由のようです。
さいごに
全体的に記憶ベースなのでがばがばですね 笑
私はマラソン中継のおもしろさがさっぱり分からなくて、お正月とかに父親がマラソン中継を見ているのを(面白くも無い番組掛けないで欲しいと思いながら)ずっと不思議に思っていました。
この著書を読んで、少しだけ納得できたように思います。
ただし、未だにマラソンを観戦する面白さは理解できていません。
そして「頑張れ」という言葉については、自分でも安易使ってしまいがちですが、相手の気持ちを考えて、どういった言葉であれば相手が気持ちよく受け取れるかしっかり選んで使いたいです。
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