【課徴金2357万円】ビートHD株で相場操縦、その手口と利益について

投資
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ビートHDといえば、ノアコインの買収騒ぎやオウケイウェイヴの松田元氏のCEO就任で話題(?)となった企業ですが、そのビートHD関連の大きなニュースが報道されました。

証券取引等監視委員会は2020年1月28日に、ビート・ホールディングス・リミテッド株(東2:9399)における相場操縦で、大阪府在住の70歳代の自営業男性に課徴金2357万円の納付を命じるよう、金融庁に勧告しました。

法令違反である相場操縦行為(仕手行為)が行われていたというのです。驚愕。

とても気になったので、この相場操縦の手口とその利益について詳しく見ていきたいと思います。

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株価操縦の手口について

出典:ビート・ホールディングス・リミテッド株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

今回の相場操縦では、相場操縦手法のうち

  • 株価引き上げ  2,571回
  • ザラバの対等売買 77回
  • 終値関与     17回

平成30年4月5日午前9時2分頃から同月27日午後3時頃までの間、17取引日にわたって行ったとされています。

つまりこの間、毎日終値関与を行っており株価の引き上げも1日約150回対等売買も5回程度行っていたことになります。まさに仕手行為、銭華の世界です。

この投資家はこれらの相場操縦を行って株価を吊り上げ、株価が吊り上がったところで元々保持していた株を売り抜けるという手口により、不正に利益を上げていたと思われます。

株価引き上げ(買い上がり)とは

出典:ビート・ホールディングス・リミテッド株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

ある特定の株式の価格を意図的に高く又は安くする事で、あたかも相場が上昇又は下降していると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的とする行為をいいます。

引用:SBI証券 相場操縦行為的行為とは

他の投資家の売り注文を高値で買い上げることにより株価を吊り上げる行為です。株価が上がれば、 値上がりランキングに乗ったり投資家の注目を集め、さらに株価の上昇を期待することができます。

ザラバの対等売買(仮装売買)とは

出典:ビート・ホールディングス・リミテッド株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について

ある特定の株式の売買が繁盛に行われていると他の投資家に誤解させ、取引を誘引することを目的として、同一人物が同じ時期に同じ価格で売買両方の注文を発注するといった、権利の移転を目的としない取引のことをいいます。

引用:SBI証券 相場操縦行為的行為とは

出来高が増えれば注目も上がるでしょうし、自身の売り注文を高値で買い付けることにより、株価を上昇させることもできます。

終値関与とは

ある特定の株式の終値を高く又は安くすることを目的として、立会終了間際の発注において、直近価格よりも高い又は安い価格で終値を形成させる取引のことをいいます。また、単独の約定で直前価格より高い価格で終値を形成するような買い上がり形態を終値一文高といいます。

引用:SBI証券 相場操縦行為的行為とは

引け条件付き成行買い注文(ザラ場の引けのみ執行される条件付き注文)を発注して、終値を吊り上げる行為などです。

株価操縦による利益について

金融商品取引法に基づく利益の推定と課徴金

一部のニュース記事では利益53万円とありますが、それはあくまで相場操縦をおこなっていた期間での利益だと思われます。(相場操縦の期間約11万8,500株を買い付け、11万7,500株を売り付けています。)

この投資家は元々、 約5万8,000株のビート株を保持していました。

相場操縦により1株あたり160円程度だったビートHD株を500円以上まで吊り上げ、元々保持していた約5万8,000株に加え該当期間に買い付けた約1,000株を売り抜け、利益を得たと思われます。

課徴金は2357万円

この計算はかなり厳密に行われています。

課徴金の計算では金融商品取引法に基づいて、違反行為が終了してから1カ月を経過するまでの最高値556円を使用して金額を計算しています。相場操縦の期間の後の1カ月でたくさん利益を上げたかもしれないから罰として徴収するね。という考え方だと思われます。

簡単のためざっくり計算すると

株価の差額:550円 – 160円 = 390円
390円 × 5万9,000株 = 約2,300万円の利益

となり、これが大体の課徴金になっている訳ですね。

相場操縦後の株価の推移を踏まえた利益の推定

ところが、その後のビート・ホールディングスの株価を見ると・・・

参照:カブサポ  ビート・ホールディングス・リミテッド   期間指定チャート

株価操縦から2カ月後の18年6月には、株価が700円以上、最大で900円近くにも上昇しています。

そのため、この投資家が5月ではなくもし6月の株価が上昇していた期間に売り抜けていたとしたら、2300万円どころか、さらに多額の利益を得ていた可能性もあります

ちなみに先ほどの計算で

700円なら、(700円 – 160円)×5万9000株 = 3,186万円 の利益
800円なら、(800円 – 160円)×5万9000株 = 3,776万円 の利益

となります。

そこまでうまく売り抜けられないとしても、もし上記のように高値で売り抜けていたとすれば、課徴金2,300万円を差し引いても1,000万円近くの利益が手元に残っている可能性があるという計算になります。

やはり株は資産家に有利なマネーゲームなのでしょうか。

(でも、こういう仕手株にうまく乗っかれれば、個人投資家でも短期間で大きな利益も・・・まぁ、そうやって食い物にされる訳ですが、あるいは・・・)

なんだかこの程度の課徴金では、全然効いていないのではと思ってしまいます。

さいごに

本件は証券取引等監視委員会の「ビート・ホールディングス・リミテッド株式に係る相場操縦に対する課徴金納付命令の勧告について」で詳しく説明されています。厳密な課徴金の計算方法など、知りたい方は参照してください。

ビートHDのような低位株は、今回のような相場操縦などにより大きな値動きが発生する可能性が比較的高いと思います。投機的な取引をしている方にとっては、ハイリスクハイリターンな株なのかもしれません。

投資は大切なお金を扱うものです。

余裕資金であればハイリスクハイリターンを狙っても良いでしょうが、長期的な目線で考える場合はETFやロボアドバイザーなども視野に入れても良いかもしれません。

しかし、いずれにしても健全な取引きをしたいですし、して欲しいものです。

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